MLAスタイル:ガイドライン・テンプレート・使用例 

by Sunaina Singh
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mla format

現代言語学会(Modern Language Association、MLA)が開発したMLAフォーマットは、学術論文の書式を統一的に定めるために制定されました。この標準化された書式により、論文の読解が容易になるとともに、読者が論文中の特定の要素を迅速に把握できるようになります。 

「MLAフォーマットとは何か」という問いに対する簡潔な答えは、文学・言語学分野における研究引用方法と論文執筆・書式設定に関するガイドラインの体系であるということです。ただし、このMLAフォーマットはこれらの分野に限定されず、リベラルアーツや人文科学など、他の多くの学問分野でも採用されています。 

MLAは2021年4月に、現行版となる第9版の『MLAハンドブック』を発表しました。この『MLAハンドブック』は、著者がMLAスタイルに準拠した引用を作成し、論文を適切にフォーマットするための指南書です。具体的には、括弧内引用の表記法、参考文献リストの作成方法、図表の取り扱い方など、MLAスタイルに関する詳細なガイドラインが記載されています。 

MLAスタイルとは? 

MLAスタイルのガイドラインは、人文科学分野の研究論文において広く採用されている引用スタイルです。『MLAハンドブック』第9版によれば、引用箇所と参考文献リストの作成には、特定の基本要素を含む標準化されたテンプレートを使用することが求められます。このスタイルでの出典表記には、主に2つの要素があります:MLA方式の本文中引用と、MLA形式の参考文献リスト作成です。 

MLAスタイルの背景について 

MLAスタイルが1931年に誕生したことをご存知でしょうか?これはAPAスタイルが開発された直後のことです。言語・文学・文化の研究・教育・理解を促進することを目的とした学術団体MLA(Modern Language Association)によってこのスタイルは開発されました。MLAのメンバーであるカールトン・ブラウンとシリル・アーサー・ピアーンブームは、論文の体裁統一と文法・引用規則の標準化を図るためにこのスタイルを考案しました。現在第9版まで改訂されているMLAスタイルは、今なお学生や研究者の間で広く採用されている引用方式です。 

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MLA形式におけるヘッダーの設定方法 

MLA形式の論文では、最初のページに左揃えで配置されたヘッダーが必要となります(行間は2行間隔)。ヘッダーには以下の4つの要素を含めます(図1参照): 

・執筆者のフルネーム 
・指導教員または監督者の氏名 
・科目名と科目番号 
・提出日 

*グループプロジェクトの場合、各執筆者の名前をそれぞれ別行に記載してください 

MLA形式の論文基本フォーマット 

MLAスタイルマニュアルの第4部では、MLA形式での原稿作成方法が解説されています。以下に、MLA形式のエッセイや論文の基本的なフォーマットガイドラインを簡潔にまとめました: 

  1. 用紙サイズ:8.5インチ×11インチ。印刷用には標準的な白色用紙を使用してください。 
  2. 余白:ページの周囲に1インチの余白を設けてください。 
  3. 段落インデント:各段落の最初の行はインデントしてください。文頭は左余白から0.5インチの位置から始めるようにします。 
  4. 行間:MLA形式のエッセイや論文全体のテキストは2行間隔で設定してください。 
  5. フォントとフォントサイズ:読みやすい任意のフォントを使用できます。MLA形式ではArialまたはTimes New Romanが最も一般的に使用されています。デフォルトの12ポイントフォントサイズを推奨しますが、11ポイントなどの標準的なサイズも使用可能です。 
  6. タイトル:ヘッダーの後に、タイトルを新しい行の中央に配置します(すべて大文字ではなく、タイトルケースで表記)。タイトルの末尾にピリオドは付けないでください。 
  7. ランニングヘッド:ページ上部から0.5インチの位置で、右余白に合わせて著者の姓とページ番号(アラビア数字)を右上角に表示します。 
Figure 1 MLA format example: Key features

MLAスタイルの見出しと小見出し 

見出しと小見出しは、文章の構成を整理し、論文の構造を明確にするために用いられます。MLA形式のテンプレートでは、見出しはタイトルケースで記述し、左余白に揃える必要があります。MLA形式の見出し表記では、見出しの後にピリオドは付けません。フォントとサイズは本文と同じものを使用して構いません。見出しには太字を、小見出しには斜体を使用することが可能です。ただし、MLA形式の見出しと小見出しのスタイルは統一性を保つことが重要です――例えばレベル1の見出しはすべて同じスタイルとサイズで統一し、レベル2以降の見出しも同様の規則を適用してください。 

MLAスタイルのヘッダーとタイトルページ 

MLAスタイルでは、独立したタイトルページは必須ではありません。通常、本文はタイトルのすぐ下から始まる構成となります。ただし、指導教員からの指示がある場合や、論文がグループプロジェクトである場合には、タイトルページの作成が認められることがあります。 

前述の通り、MLA形式の論文の最初のページには、左揃えで4行分のヘッダーを配置します。ヘッダーには著者名、指導教員名、科目名、および提出日を記載します。 

MLAスタイルにおけるランニングヘッドとページ番号の記載方法 

MLAスタイルのテンプレートでは、各ページの右上隅に簡潔なランニングヘッドを配置します。これには著者の姓とページ番号(間に半角スペースを1つ挟む)を明記します。ページ番号については、「ページ」または「p.」といった表記は不要です。ランニングヘッドはページの右上隅、上余白から0.5インチ(約12.7mm)、右余白から1インチ(約25.4mm)の位置に表示します(図2参照)。 

Figure 2. Running head and page number in an MLA format paper

MLAスタイルによる引用の作成方法 

次に、MLA形式の引用フォーマットについて説明します。MLA形式の引用は、読者を「参考文献リスト」と引用箇所の出典ページに誘導することを目的としています。MLAスタイルの引用では、著者の姓と該当ページ番号を括弧内に記述します。本文中の各引用箇所は、必ず「参考文献リスト」の対応する文献情報と対応している必要があります。 

MLA形式で2名の著者がいる場合、両方の著者名を記載します。一方、3名以上の著者がいる場合は、最初の著者名のみを記載し、その後に「et al.」(その他)と表記します。 

MLA形式におけるページ番号の記載方法については、著者名の後に具体的なページ番号を記載します。引用箇所が複数ページにわたる場合は、ページ範囲を記載してください。また、連続していない複数ページを一度に引用する場合は、異なるページ番号をカンマで区切って表記します(表1参照)。 

表1 MLAスタイルにおける引用表記例 

著者数MLA形式の本文中引用*
1名(Ahlgren 144) 
(Tran and Ho 22–24) 
(Shah et al. 17, 50) 

*MLA形式におけるページ番号の表記方法についても記載しています 

MLA形式の本文中引用に関する重要な注意点:引用文や要約を記載する場合、著者名は文中に直接記載するか、括弧内に表記することができます。ただし、ページ番号は必ず括弧内に表記し、本文中に直接記載してはいけません(例:): 

「フライド豆腐事件」のような実際の体験は、特に重要な意味を持つ(Yoshino 44)。 

あるいは: 

Yoshinoは「実際の体験」について論じる際、フライド豆腐事件に注目している(44)。 

Paperpalを使えば、本文中引用と全文引用のMLA形式フォーマットを簡単かつ効率的に作成できます 

Paperpalでは、研究論文を検索して簡単に自分の執筆作業に組み込むことが可能です。本文中のMLAスタイルによる引用を作成できるほか、参照文献リストも自動的に生成できます。 

例えば、下の画像のサンプルテキストにはAPA形式の引用が含まれていますが、「引用スタイルを選択」をクリックしてMLA形式に変更するだけで、簡単にスタイルを切り替えることができます。 

Paperpalは引用スタイルを変更するだけでなく、本文中の引用と本文末尾の参考文献リストを瞬時に作成することで、両者の整合性を保つことにも役立ちます。 

MLA形式の参考文献ページ 

MLAスタイルにおいて、引用文献リストは「Works Cited(参考文献)」ページと呼ばれます。MLA Works Citedフォーマットは、本文中で引用したすべての出典について詳細な情報を記載するための書式です。 

Works Citedリストは、論文の末尾に作成します。MLA Works Citedフォーマットの主な作成ガイドラインは以下の通りです(図3も参照してください): 

  • ・左揃え、2行間隔、上下左右1インチの余白設定 
  • ・「Works Cited」というタイトルを中央揃えでプレーンテキストで入力 
  • ・著者の姓のアルファベット順に項目を配列 
  • ・インデント形式を採用し、各行の2行目以降を0.5インチ空ける 
Figure 3: MLA Works Cited Format

MLA形式における表と図の表記方法 

MLA形式では、表や図は可能な限り関連する本文の近くに配置する必要があります。 

MLA形式における表の表記方法 

MLAテンプレート形式では、表は余白に揃えて左寄せで配置します。表内のテキストは2行間隔とし、タイトルはタイトルケース(各単語の先頭文字を大文字にする形式)で表記します。表のラベルとタイトルは表の上に記載します。ラベルと番号の後には句読点は不要です。もし表が他の文献から引用・改変したものである場合は、表の下に出典情報を記載したキャプションを付けてください。キャプションの下には、必要に応じて注釈を記載できます(図5参照)。 

本文中で表を引用する場合、「表」という単語は大文字にしないでください(例:「(表1参照))」。 

Figure 4. Table in an MLA style paper

図表のMLAスタイル表記について 

MLAスタイルでは、図表の配置に関する具体的な規定は設けられていません。基本的なMLAスタイルの書式に従うことが推奨されます。具体的には、1インチの余白を設定するなどの標準的な書式が適切です。図表(地図、図解、グラフなど)には”Figure”または”Fig. “の表記を用います。ただし、本文中で引用する際には小文字表記を使用し、例えば以下のように記述します: 

「徴候説」とは、自然界の視覚的手がかりが動植物の薬効を暗示しているという古代からの考え方です。この文脈において、神話上の生物はしばしば象徴的な役割を担っていました(図4参照)。 

図表の下には、その名称と対応するアラビア数字を記載し、その後にピリオドを付けます。例えば:Fig. 10。この場合、”Figure”と”Fig. “は大文字で表記します。同じ行には、図表のタイトルおよび/またはキャプションを記載します。該当する場合には、関連する出典情報を脚注形式で記載します。 

まとめ 

MLAスタイルは1931年に、引用形式と文法規則の標準化を目的として導入され、現在も学生や研究者の間で広く用いられている引用方式です。現代言語学会(Modern Language Association)によって策定され、当初は原稿の書式統一を目的として、主に文学・言語学分野向けに開発されました。現在では人文科学全般において広く採用されています。最新のMLAガイドは2021年4月に改訂版が発行され、MLA形式の引用方法、括弧内引用、参考文献リスト、および書式設定に関するガイドラインが掲載されています。MLA形式の引用では、本文中の引用箇所を示すインテキスト引用と、参考文献リストの両方を作成し、これらは標準的なテンプレートを用いて作成されます。 

補足事項 

研究者はしばしば、異なるスタイルガイド(APA形式、MLA形式など)に従って原稿の書式を変更・再調整する必要に迫られます。これは非常に煩雑な作業です。各スタイル間の細かな違いをすべて記憶することは不可能であり、スタイルガイドや関連資料を参照する手間がさらに負担を増します。しかし、Paperpalの引用生成機能がMLA第9版を含む1万種類以上の最新スタイルに対応していることをご存知でしょうか?Paperpalの引用生成機能を活用すれば、あなたの執筆が一貫性とプロフェッショナリズムを備えた形式で提示されることを保証できます。 

よくある質問 

Q1. MLAスタイルではどのようなフォントとサイズを使用するべきですか? 

A1. 読みやすい任意のフォントタイプを使用できます。おすすめはArialまたはTimes New Romanです。デフォルトの12ポイントフォントサイズはもちろん、11ポイントや11.5ポイントの使用も可能です。  

Q2. MLAスタイルの見出しフォーマットはどのように設定すればよいですか?  

A2. MLA形式の見出しは、左揃えでタイトルケース(各単語の先頭文字を大文字にする形式)で記述します。見出しの後にはピリオドを付けません。フォントとサイズは本文と同じものを使用して構いません。ただし、MLA形式の見出しと小見出しについては、スタイルの一貫性を保つよう注意してください。 

Q3. MLAスタイルにおける本文中の引用形式はどのようにすればよいですか?  

A3. MLA引用ガイドによれば、著者名と該当ページ番号を括弧内に記述します。著者が2名の場合は、両名の姓を記載します。著者が3名以上の場合は、筆頭著者のみを記載し、その後に「et al.」と表記します。著者名の後に具体的なページ番号を記載してください。引用箇所が複数ページにわたる場合はページ範囲を記載し、連続していないページを参照する場合はカンマで区切って異なるページ番号を明記します。     

Q4. 著者不明の資料をMLA形式の参考文献リストに記載するにはどうすればよいですか? 

A4. MLA形式の参考文献リストでは、著者が不明または記載されていない場合、資料はタイトルのアルファベット順に配列します。 

Q5. MLAスタイルで略語を使用する際の適切な方法を教えてください。 

A5. MLAスタイルで略語を使用する際の重要な注意点は以下の通りです: 
略語における大文字間にはピリオドを入れません。例えば「PCR」は「P.C.R.」とは表記しません。 
ただし、小文字の略語の場合は文字間にピリオドを使用することがあります。 
大文字と小文字が混在する場合、文字の大半が大文字であればピリオドは使用しません(例:「PhD」)。 
論文や課題本文では、月の名称を略語に置き換えてはいけません。 
MLA形式での略語使用に関する詳細な情報については、『MLAハンドブック』の付録1を参照してください。 

Q6. MLAスタイルでのブロック引用の書式設定方法を教えてください。 

MLA引用ガイドによれば、MLA形式におけるブロック引用は以下のように処理します: 
長文の引用(散文で4行以上、詩で3行以上)の場合、引用文は新しい行に配置し、左余白から0.5インチ(約12.7mm)インデントします。行間は2倍に設定し、引用符は使用しません。本文中の引用表記は、ブロック引用の末尾にある句読点の後に記載します。 

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